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夜露よ、今夜もありがとう

だいぶ初夏ね。

暑いったらありゃしない。

ここ数日の暑さで芽も動き出してはいるのですが、今年は春先の天候不順で、芽だしの悪い樹が多かったです。

雑木でもそろそろ、葉刈りできる時期なんですが、今年はまだ随分遅れています。

今いる園の棚場は、風の通り道で、非常に乾燥します。

乾燥につよい五葉松にはもってこいの環境ですが、雑木やシンパクたちには、ちと厳しい環境になっています。

だからって、雑木もシンパクも扱いたいのはもちろんの話です。

この時期、芽だしが悪い樹を、肥料無しに元気にするテクニックとして、二つ書いてみたいと思います。

1つは、強い風に当てない事。

強い風に晒されつづけていれば、樹は芽をあまり伸ばしません。

答えは簡単です。折られると分かっていて、芽を伸ばすほど樹もお馬鹿じゃないって事です。

樹がする事は決まっています。「生き延びること」です。

かといって、日陰や、蒸れ蒸れのビニルハウスに密封では、この時期は逆効果ですが、せめて風邪の強い乾燥する日は、風の当たらない工夫が必要です。

棚場が限られている人は、風の当たらない場所に置くのは難しいでしょうから、ヨシズや、道具を使ったり、色々とアイデアを絞ってみてください。

二つ目ですが、夜露にしっかり当てる事です。

夜露が、樹をすっかり包み込んで、優しくいたわってくれるのです。

といっても、夜露なんて田舎の現象、都会のど真ん中では、たいして期待できないのもわかります。

そこでアイデアですが、夜にこまめに霧吹きで葉水をあげてください。

テレビのCMの合間や、寝る前なんかに、葉がしっとりと濡れるまであげてください。

それだけでも、効果は期待できます。

さらに、樹勢の悪いものは、葉面散布の液肥をあげてもいいと思います。

なんと、このテクニックは、スプリンクラーで夜に自動散布している人もいるくらいです。

以上の二つを試して欲しいと思います。

ただし注意点。

丹精の計画上、芽をあまり伸ばしたくない樹にあまりやりすぎると、枝先がゴツゴツして繊細さがなくなったりします。

それと、逆に湿りすぎて、すぐ根腐れを起こすような場所では、必要ないと思われます。

風通しのいい場所での培養は盆栽管理の基本ですから、風通しの悪い場所というのではなく、風に強く晒される場所を避けるという発想で取り組んでください。

自分の棚場が、毎年しっかり丹精しているつもりでも、芽の伸びが今1つだなと感じているのなら、試してみる価値はあると思います。

夜の葉水は、真夏でも、火照った木々に対して有効です。

それでも、夏場は特に風通しのいい場所を確保してほしいです。

余談ですが、蒸れ蒸れの棚葉で、一晩中扇風機を回して、樹の蒸れを防いでいた人がいました。かなり本気モードですね。

最後に当然の話ですが、これだけが盆栽の好不調の理由ではありません。

最近は虫も一気に増えてきたし、病気もチラホラ出てきています。水やりの加減で、根が弱っているものもあれば、そもそも日当たりが悪いといった原因もある。

はるの植替えで無理したもの、冬の針金掛けでいじめすぎたもの、葉刈りできる状態じゃないのに無理やり葉刈りしたもの。

原因がたった1つである事はまずないし、何か1つ条件が悪いにしても、他の方法でそれを補う事も出来ます。

根を切りすぎたら、その後の後管理に集中するとか、虫が発生しやすいなら、棚場の環境改善や、予防の薬を使うのも手でしょう。

特に失敗した時に状態をしっかり覚えておくといいと思います。仕事の写真をとってみたり、作業日記をつけるのもいいでしょう。

何度も言いますが、盆栽は丹精する命のバトンです。

単なるインテリアか何かと思っているのは、大きな勘違いです。床や席に飾るのは、たしかに楽しいですが、命である事を忘れないで欲しい。しかもとてもデリケートな。

盆栽とは鉢植えに対する、人間の心です。

どんな名盆栽も、それに対する人の心が盆栽の大前提、丹精と自然をまったく無視していれば、それはタチマチ、鉢植えになってしまうでしょう。

だから、今夜も歌うのです。

「夜露よ~、今夜も~、あり~がとぅお~。」

↓流転に追加しました。五月の花たちです。

Sanzasi Sirosanzasi 14 17 58

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コメント

タタタタ・・・棚場に一晩中扇風機!!!!
ショッキングです!考えたことも無い!!!
盆栽愛好家の愛樹精神は時に深く、時に計り知れないものなのだなあ、と、思いました!ひゃっ!
それにしてもその方は凄いなあ~~。

投稿: 夢湖 | 2007年5月14日 (月) 00時39分

この例は相当特別ですよ。

もちろん、その人の場合は、それ以外にも様々なアイデアで、棚場の悪環境をクリアしていました。

情熱が人を動かすんですね。

投稿: ちどり | 2007年5月14日 (月) 22時47分

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