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5年という目標

僕もそろそろ帰省の時期が近づいてきました。

5年たって思う事は次の5年のこと。

ですから、そんな次の5年の目標を、思い上がりも甚だしく書いてみたいと思います。

唐突ですが、僕は五葉松の実生文化の懐に生まれてふと思う事は、

厳密に言って、実生3代100年の夢を、今現在実感できる人は僕か僕の兄弟くらいじゃないでしょうか。

お爺さんが盆栽屋さんで、戦前から種をまいて、独特の作風を開眼して、それを親父がしっかり継承して、何とか自宅の棚場でその内の数本を維持してきたってなると、

盆栽という1つの趣味にあって、ここまで限定された趣向というのも極めて稀です。

けれども、そんな100年でさえ、ある日突然100年になったわけではなく、100年前に生まれた日から、5年10年という歳月を通過してきたわけで、

そこにはその年数特有の手入れや、楽しみ方があった、あると思うのです。

そこで僕が考えたのは、盆栽を楽しむにあたって、最も多くの人が盆栽の面白さを共有できる時間は無いか?という事です。

ある人は一目あったその日から恋に落ちるかもしれません。

ある人は長い年月を掛けて徐々にその熱を燃焼させるかもしれません。

そしてある人は、燃焼と鎮火、再燃焼というサイクルを繰り返すかもしれません。

そういった様々な人達の交わる時間を、盆栽的に数えるならば、

一通りの手入れの成果が表れてくるという意味で、

老若男女を問わず、盆栽の面白さを十分に堪能できる最小公倍数が5年という時間であると、提案したいのです。

さらには、実生という、ほとんど0から盆栽を作っていく体験をスタートラインとすれば、

例えば80歳を越えて初めて盆栽にチャレンジする方の5年、

子育てが一段落して、以前好きだった植物遊びに戻ってきてからの5年、

小学生が生き物とふれあう目的ではじめる5年が、

同じ「実生から5年」という1単位の中で、共通の目的、目標が自然と生まれると考えるのです。

さらには、その後の5年、10年経た方たちも、同じ実体験を共有しているわけで、次に新しく「実生から5年」を始める人達にとっても、

必要とする経験や技術を持っていることになるので、

経験値で言うところの、横だけでなく、縦の関係も有意義なものになるのではないでしょうか?(もちろん個人の人間性が一番の要素ではありますが)

けれど、僕自身が、ただ好き勝手5年播いてくれ、勝手に研究してくれでは、あまりにも身勝手な提案だと思います。

そこで、僕は5年1単位の区切りとして考えているのは、

「Bornsaiるねさんす~種まき5年展~」(仮)を、実生愛盆家さんたちと作りたいのです。

場所は人がたくさん集まるところ。原宿や名古屋の栄みたいなところで、ギャラリーを借りて開催したいのです。

大体ギャラリーの相場は一週間20万前後なので、5年後を考えれば、不可能な数字では無いと思います。

そこで見てもらいたいテーマは大きく3つです

  1. 実生から5年という可能性
  2. 5年間の記録
  3. 丹精という盆栽の王道

1は、種まき5年間で出来る表現の可能性です。

だから、その先の10年20年かけた盆栽に比べて上とか下とかではなく、5年という年数でこれだけの表現があるんだという事を来場者に知ってもらいたいのです。

2は、出展品それぞれにまつわる盆栽の記録を紹介したいのです。

ある程度決められたポイントにしたがってそれぞれの成長の過程を撮った写真や、エピソードを出展品に添えてもらいたいのです。

なぜなら、似たような樹姿であっても、それぞれの思いは必ずしも同じではありません。さらに、それにまつわるうれしかった事、悲しかった事を書き添えて、来場者に、盆栽は物語が添えられて初めて盆栽になるという事を知ってもらいたいのです。

3は、やはり盆栽の王道は「丹精」です。

僕が以前からテーマに掲げている言葉は、「命を繋ぐリレー、未来へ託すバトン」です。

最近はあらかじめ用意した素材をオリジナルの鉢に入れるスタイルが受けていますが、

もしあれが1つの作品として既に完成されているなら、

僕はコテコテの盆栽を学んできた手前、やはり丹精が成果であって欲しいと願っています。

確かに人によっては、5年ですら長いと言われるかもしれません。

けど、どうしても丹精というものを実感できる年数には限界があります。

やはり、より多くの人が確実にその面白さを共有できる最小公倍数は5年だと言いたいのです。

その中でも、実生から5年は、三つ子の魂100までというように、劇的に盆栽が変貌して、さらに多く接する機会が得られる年数でもあるわけです。

ですから、その期間を経た盆栽たちに来場者が触れることで、時間というものの大切さを考えるキッカケになって欲しい思います。

そこで、また来場者に盆栽の種を配る。

そうやってBornsaiな人々がゆっくりと増えていくわけです。

では、その展示会までの約5年間、野放しでいきなり開催というのは無理な話かと思います。

そこで、僕自身の目標にもなるのですが、将来的には東京と名古屋で「実生5年」をテーマにした盆栽教室を開講したいと考えています。

もちろん僕の田舎じゃ随時開講のつもりです。

かといって始めの5年でそこまで持っていくというよりも、実生5年展に興味のある方を募って、3年目の植替え、針金掛け、5年目の展示会に合わせた整姿などのポイントを絞って、展示会実現に向けて準備をしていきたいのです。

学ぶほうも向える方も、何を教えたいか、何を教わりたいか、その目的がハッキリしているから、吸収できるものも多いし、逆にいえば僕の足りないところにも目が行き届くわけですね。

さらには、共通のテキストを準備する事で、自分の樹のことだけでなく、他の受講者の内容にも興味を抱くようになる。

そこで僕は産地出身という事もあり、五葉松の種を配ります。

そして毎年春に実生○年号と題した簡単な一年間の仕事内容を記した冊子を送ります。

同じ樹種でも、それぞれが子供の頃から手塩に育てたわけだから、良くしてあげたい気持ちも一層ですし、

実生から5年という枠だからこそ、興味の対象も共有しやすいと思うのです。

そして、1つの樹種でしっかりと型(楽しみ型)を学べば、かえってその他の樹種への応用も楽だし、失敗も少なくなります。

もちろん個人的に、それと平行して他の樹種の種をまく事をお薦めします。

純粋に楽しいですよ。

というわけで、「5年1単位」、「5年展という目標」、を次の五年間に目指していけたらなと思います。

もちろん皆さんには多少の自己負担を考慮していただきたいのですが、僕自身が日々の研鑚を怠ることなく、次の5年が、始めの5年よりも、もっと内容が詰まったものにしていく所存です。

最後に僕が将来盆栽教室を開くにあたって、必ず最初に見てもらいたいテキストがあります。

http://homepage2.nifty.com/takasan8056/sab09.htm

風媒社 発行の中村儀朋書 さくら道  
ビデオ 神山征二郎監督  さくら 

詳しくはリンク先をご覧ください。

興味がある方はぜひ見てもらいたいのですが、

僕はこの映画100回見たら、100回泣きます。

僕のささやかな夢は、この映画を見た人たちと実生について楽しく語り合いたいという事です。

追伸

まだ五葉松の種の在庫がありますので、今回の日記の内容に興味をお持ちになられた方は、下記にメールをください。

多少の負担金を考慮していただきたいのですが、内容としては五葉松の種30粒程度、種まきについての冊子、うちの爺さんの五葉松のイラスト集、五葉松の自然樹の写真、実生1年目の手入れに関する冊子になります。

尚、このアドレスは3月いっぱいで使用できなくなります。

その後インターネットにいつ復帰するか決まっていませんので、興味のある方はどうぞお早めに。

ちどり

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たいよう、おはよう。

みなさーん、春ですよー。

そろそろみなさんの愛盆たちを起こしてあげてください。

外のバケツの水も凍らなくなったこの頃、

今年度、植替えしていない盆栽たちは冬の保護から出して、久しぶりに太陽の光を浴びせてあげてくださいね。

ただし、注意して欲しい事を3つあげます。

今年植え替えしたものや、去年から弱っているもの、針金をなどで、きつく曲げたりしたものは、乾燥と寒さには敏感ですから、

①春一番など、乾いた風が吹く日は、風の当たらない場所に置く

②急に寒さがぶり返し、鉢が凍ったり、霜が降りたりしそうな日があれば、夜は凍結しない場所に取り込む。

③植替えで根っこをいじめすぎた場合、湿度が保てる環境で保護しながら、徐々に外気に慣らしてあげる。

③に関しては、例えば根は弱っているから、自力で水を吸い上げる力が弱く、乾いた空気に体内の水分が持っていかれると、吸収が追いつかなくて、萎れてしまい、最悪枯死する事もあります。

ですから、湿度が保てる環境で、尚且つ日差しが当たる場所(そうじゃないとモヤシみたいな芽になってしまう)を作ってあげることが必要になってきます。

(過去の日記「早くもムロだしhttp://philosophy-of-bonsai.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_6f2b.html」、

「ちらほら植替え、ちゃっかり挿し木http://philosophy-of-bonsai.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_f9a1.html」、

「ベランダっ子と遊ぶhttp://philosophy-of-bonsai.cocolog-nifty.com/blog/2007/03/post_f57b.html」)

特に、ベランダっ子と遊ぶの、真パクの挿し木の保護が、弱った盆栽の保護の参考になると思います。

ただし、その日記との内容の違いは、根っこが水を吸い上げる速度が回復するまで、鉢内の土は乾かし気味にして、空中湿度を高く保つ事です。

人間も胃が弱ったり、手術の後、おかゆなんかで慣らしていくのとおんなじことです。

おそらく、弱った盆栽は、他の盆栽より随分と鉢が乾かないはずですから、しっかり表面が白く乾くまで、じっくり待ってから、新鮮な水をたっぷりあげてください。

そうじゃないと根腐れを起こす事にもなりかねません。

春の植替えのあと、芽が上手く吹かなくて、元気がない樹は、こういった方法に、チャレンジしてみてください。

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