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ようやくうちでも。

五葉松の種を播きました。

うちでは数が数ですから畑に播くのですが、花さか爺さんのように、ただブワッとばら撒いても上手くはいかないものです。

というわけで種蒔き作業の手順を、写真で紹介していきたいと思います。

Dsc02040 写真は、耕した畑を線でくぎり、その中を踏み固めているところです。

こうやって踏み固めた土壌に播くことで、発芽した実生苗の根が、下方に走り過ぎないようにします。

直根の走りを抑えることで、横根の成長を促し、根張りを出来るだけ良くする為の配慮です。

Dsc02041 今回まく、五葉松の種です。

種に関しては下のURL参照↓

http://philosophy-of-bonsai.cocolog-nifty.com/blog/2008/09/post-2056.html

http://philosophy-of-bonsai.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/post-790d.html

もっと大きくて深い容器に冬の間埋めておいたのです。

あまり浅く植えると発芽してしまいますが、深く植えておくと発芽せずに保存できます。

が、今回はすこし遅かったので、芽が出始めているものも多数ありました。

しかしながらそういったものも、そのまま播くと、立ち上がりに面白い曲のついた素材になるものですから、怪我の功名といえばそうなるでしょうか。Dsc02043_2

先ほど固めた土の上に満遍なく播いていきます。

土がついたままですが、洗ってしまうと、畑では水遣りが出来ませんから、かえって乾燥してしまうので、湿り気のある土がついたまま播いています。

Dsc02047

種を播いたら、もう一度種を踏んで土の中に押し込みます。

これは、雨や風で種が動いたり、日照りの乾燥を防ぐ意味があります。

Dsc02052 土をふるって、種の上に覆土していきます。

大体種の三倍くらいの深さでしょうか。

あまり被せすぎても、顔を出す前にヒョロヒョロと伸びすぎてしまうので、気をつけてください。

Dsc02058 板をつかって、表面を軽く固めています。

乾燥や土が風や雨で流されないようにするためです。Dsc01253_5

最後に鳥に食べられないように、ネットを張ります。

今日は風がとても強く、ネット張りは明日に延期になりましたので、写真は去年の様子です。

よく見るとネットの下で芽が起きているのがわかると思います。大体芽が発芽しきる秋ごろまではネットをかぶせて起きます。

というわけで、今年の種蒔きはお仕舞いです。あとは発芽をワクワクと待つだけです。

81年間、変わらず続けてきた種蒔きです。

それは、ある意味では80年以上色あせず多くの愛盆家さんを魅了してきた、吾妻五葉松の魅力をあらわしているのではないでしょうか。

僕は実生という行為は、単に素材を得るだけの行為ではないと思います。

僕の爺さんたちは、実生からヤマドリにまけないような素材を作出するという、未知の世界に挑む冒険者たちでしたが、

そのおかげで、僕たちはその行為は大分「楽しむ」ことができるようになりました。

僕の好きな児童文学の作家さん、E・L・カニグズバーグさんが、著書の「ぼくと(ジョージ)」でこう記しています。

「ジョージは、ただものを知るだけでなく、ものを知るまでの過程を楽しまなければいけないと信じていた」(岩波少年文庫)

実生は結果ではありません。実生から始まる丹精の物語です。

実生から作った、皆さんの可愛い盆栽たちを見て、人は言うかもしれません。

「買ったほうが早い。」「ヤマドリには敵わない。」「樹が若い。」

そんなとき、皆さんはどう考えますか?

実生の面白さは、必ずしも結果に表れるものではありません。その面白さは、共に歩む実生愛盆家さんの心の中にあるものです。

そしてもうひとつ、結果に表れないのは、結果が表れる前に止めてしまうからです。

すぐに結果が出ないからこそ、面白いのです。すぐに結果が出ないからこそ、その物語はより深く豊かになっていくものなのです。

爺さんはいいました。「実生は三代かけてつくる」

父もいいます。「わがやの盆栽棚場には、出来上がった樹は一本も無い」

僕もまた、結果というものを知りません。先の見えない冒険を続けている旅の途中です。

いまだに実生五葉松に対する偏見は残っています。

それでも、実生のたびを続ける理由は・・・、

ここまで僕の日記を読んでこられた方には、もうわかると思います。

みんさんも、はやく終着駅に着こうとばかり考えずに、たまには列車の車窓から、旅の景色をのんびりと眺めてみてはいかがでしょうか?

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