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こつこつ③

050 こつこつ新木は続いています。

とはいっても、寒波で畑から素材も上げられないので、今は一段落です。

この樹も、仕事をしたのは年の瀬でした。

051_2  横から見るとこんな感じです。

052 こちらが後ろ側。

前の日記にも書いたように、立ち上がりを検討したら、そのあとのコケ順もそうですが、後ろ枝として使える枝が在るか無いかも、大切な正面決定のポイントです。

059 枝抜きと神つくりのあとです。

枝抜きは、一度に元から抜き取る自信が無いときは、

最初から正解を探さずに、明らかにいらない間延びした太い枝などから少しずつ切り詰めていくと、

あるところで急に姿が見えてくるときがあります。

大きな展示会に出展されてるような完成を、新木作りからいきなり作ることは、まず困難です。

盆栽は生き物ですから、枝は手入れ良くすれば、次第に増えていくものですから、ある枝ある枝みんな使って、いきなり賑やかにつくろうとせず、はじめは枝の線を描いて、姿を出してあげることが肝心です。

060 裏側です。

067 針金をかけて、振り付けを終えたところです。

ところどころ神が作られず、きりっぱなしの枝がありますが、

生の枝は、いきなり皮をはいで神にしてしまうと、腐りやすいのです。

そのままきりっぱなしにして一年から、二年もすると、木質部までヤニがしみこんで、カチコチに硬くなります。

そのあとで、神を作ると、何年でも腐らずに姿をとどめる丈夫な神が出来上がります。

今回枝を抜いたあとは、もちろんまだまだ生ですから、神にしないでそのままにしてくのです。

068_3 なんか、構図に僕の欲のようなものが感じられます。

二兎を追うもの一途も得ず。

ドッチの仕事を写したかったんだといわれそうですが、

横から見た図です。

神を作るときに、枝元がこぶになっている部分も、ノミでこけ順に合わせてとってしまいます。

このあたりは、自然というよりは人の欲も少しありますね。

畑で太らせる時に使う犠牲枝の影響で、枝元が太るとぼこぼこと根元より胴が太くなることがあります。

このままでは根細といって、不安定の代名詞みたいになってしまうので、膨らんだ枝元を、足元の太さからコケ順に合わせて、ノミを入れていくことがあります。

064 同じ樹の真ん中部分の神を横から見ると、膨らんだ部分を元からとって、

生き道部分のコケ順を直しています。

ところが、真ん中の四角くえぐれた部分は、以前大雪で枝が元から折れた部分で、ここは完全に枯れていますから、

あまりこけ順にこだわって、枝元を削りすぎると、生き道を狭めて、結果的に樹を弱らせてしまい、

頭でっかちになりすぎて、良かれと思った行為で、痛い目に会ってしまうことがあります。

ですから、生き道とのバランスを考えて、理想よりは、コケ順が素直に通らないことも考えながら、神を作っていきます。

何度もいうように、欠点を見つけるだけなら、誰にでも出来ます。

難しいのは、その欠点も含めて、総合的にその木の良さを受け入れることです。

欠点探しだけで言えば、恐らく今作っている新木は、欠点の総合デパート。

けれども、そこに光るものを見つけて、何とか伸ばしてあげたい。

祖父の代から受け継ぐ大事な素材を、粗末に出来ない。

そんな思いで、日々新木づくりに取り組んでいます。

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新木こつこつこつ。

コツコツは続きます。

030 せっかくなんで、でかい素材をまた取り上げます。

これは重たかったー。

でかかったー。

ちなみに隣にいるのは、うちのおじさんです。

遠方の親戚のみんながこの写真を見ると、田舎のメンバーの元気な姿を届けられるのも、このブログの大事な役割です。

032例のごとく下枝は大きくなりすぎまして、随分前に切り落としました。

033 こちら側が反対側。

011 はい、ちょっと飛ばしすぎましたかね。

枝抜いて、下枝神作り作業後です。

013 コッチが反対側。

コッチが裏面です。

コッチを裏にしないと、後ろ枝が無いので、さっきの正面のおしりを上げて、植え付け角度を変えて作ることにしました。

015 そんで針金整形後。

いらない枝がたくさん幾分残ってますね。

幹のうつり(コケ順)が良くなるために犠牲枝を残しています。

最初から役割に縛られると、意外と目的地まで遠回りになるもんです。

犬でも猿でもキジでも、お供はお供です。

いらないと思われる枝でも、じつは近道の手助けをしてくれることもあるわけです。

もちろん必要なくなったら、枝は切り取ります。

いつまでもつけておくと、親不孝枝といって、幹を負かして栄養を吸い上げるゴツイ枝になってしまうんです。

役割が育てば、自立でしょうか。

猿もキジも犬も、鬼退治のあと、一体どうなったのでしょうか?

自然というもの、厳しさがそこにあるのかもしれないですね。

016 こちらは後ろ。

「空間有美」の作風では、

前枝は小さく、後ろ枝を幹の合間からしかりと見せてあげるようにするため、

新木つくりの段階では、後ろ枝の見極めが大事なポイントになります。

いくら立ち上がりからのなりふりが良くても、後ろ枝が無い場合は、

もう一度正面の検討が必要になります。

003 これは別の素材ですが、このように懐に枝が無い場合や、後ろに使う枝がどうしても無い場合、先にいった枝をまわしてきて、元に接ぎなおす呼び接ぎという方法を使います。

接いだ先が太って、接がれた枝が接いだ枝を飲み込んでしっかりと活着するまで、接いだ元はきり外しません。

001 左下に見える小さな枝ですが、こういった食いつき枝を、効果的に使ってあげると、景色がより変化にとんだ面白いものになります。

017 というわけで、我が家の名人です。

誤解されるといけないので、あえていくつか説明しますと、

今回の素材は、うちのお袋が嫁にきた頃に曲付けした実生苗から作った、実生44年生の素材です。

新木作りの仕事は、僕でもまだまだ勉強不足ですから、親父の目付け、見立てが必要です。

こういったブログを通じた記録は、僕自身の参考図書としても、大いに活躍してくれるという思いもあり、

こうやって新木づくりを紹介させていただいています。

というわけで、まだまだ、どしどし、仕事を紹介していきたいと思います。

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新木こつこつ。

明けましておめでとうございます。

今年も、ぼんさいや「あべ」、実生五葉松をとことん楽しむブログ、よろしくお願いします。

というわけで、年末年始は、ひたすら盆栽の新木づくり。

そして、実生苗の曲付けと、

ひたすらに冬の仕事をこなしています。。

五葉松の針金掛けも、荒作りや幹の曲付けのような強いしつけの場合、芽が動き出してからでは樹にはさらに負担になってしまいます。

ですから、この時期に出来うる限りたくさん仕事をしておかないと、春以降の阿部家のご飯量に大きく関わる問題なのです。

二月も中ごろを過ぎると、接木や衣替え、3月も中ごろを過ぎると植替え、四月になるとまた畑の植替えや種蒔きと、時期のお仕事が目白押しで、

この時期は、休もうと思えばいくらでも休めるのですが、怠け者になってしまうと、結局は自分に跳ね返ってしまうのです。

ぼんさいや「あべ」では、仕事がすぐに収入に結びつくことはまずありません。

今の仕事が、

20年後、30年後に実を結ぶことが普通なのです。

うちの爺さんは「この樹は、孫に残すんだ」といって実生をしていたそうです。

僕も、今の仕事が自分の孫や、孫にあたる世代の子供たちが盆栽を楽しんでくれるためにあるのだと思うと、仮に何十年、何百年と持ち込む盆栽も、「完成」に気をとられずに進めることができます。

というわけで、新木作りの様子です。

048 五葉松の畑からあげてきた大物素材です。

実生してから44年経っています。

052 行儀良く1の枝から作られていなかった素材で、下枝はほぼ使いようが無く随分前に切られたままになっています。

060 うえの写真の素材を剪定、神作りした状態です。

059_2 神は、あくまでも綺麗に作らず、ささくれ立ったような感じにします。

吾妻山自生の五葉松をみると、鉛筆のように綺麗に尖ったジンはまずありません。

特に、最初野暮ったく見える神も、時代を重ねて風化してくると、かえって自然らしく見えてくるから不思議です。061

裏から見るとこんな感じで、片枝が無かったせいで、反対側の幹は枯れていました。

Img_newjpg11 これは日暮の松の主幹です。

この無数の神が、吾妻山の厳しい自然を語らずとも表現しています。

062 少々見苦しいですが(僕が?)針金やら何やらで、幹を養生して、太い枝をジャッキで下げている様子です。

荒作りは見た目のスマートさより、枝に出来るだけ負担をかけずに仕事をするため、しっかりとした養生が必要になります。641

見づらいですが、左に小さく景色を作りました。

下のほうなどに大きな枝を残しておくのは、

幹や根量に対して一度に枝を落としすぎると、根と葉のバランスが崩れて枯れてしまうことがあるので、

特に大物素材は、最初の段階で枝を残しておくことが多々あります。

さらに、幹に対して葉張りも少なすぎるし、下げた幹もまだまだ細くてコケ順が悪いため、枝をぐんぐん走らせて、元の幹を太らせる目的もあります。こういった枝を「犠牲枝」といいます。

このあと、作業は一時中断です。

寒風にさらすと、間違いなく傷むのでビニールハウスのなかで3月ごろまで管理します。

植替えは、今年の秋以降になる予定です。

というわけで、こういった作業は年末年始のこの時期の風物詩になっています。

新木作りが始まると、今年1年の盆栽生活がスタートした気分になり、身が引き締まる思いがします。

というわけで、この作業はもうしばらく続きますので、別の素材の様子も日記にアップしていきたいと思います。

みなさん!今年もよろしくお願いします。

五葉松より愛をこめて、皆さんに素敵な愛盆ライフが訪れる一年でありますように。

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