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うれしい針金掛け

五葉松も新葉が固まり、無理のない仕事なら針金掛けも出来るようになりました。

今月に入ってからは、草むしりと水遣り、夕方涼しくなってから針金掛けと仕事を進めています。

ちなみに、針金掛けのシーズンは、針金はずしのシーズンです。

これから秋にかけてさらに幹が太っていきますから、外すなら今です。

あまり食い込みすぎた場合は、秋、水の吸い上げが弱くなってから外すと、一緒に皮がむけにくくなります。

ところで、ここ数日、お客さんの盆栽の整形をさせていただいているのですが、うれしいことにお客さんは僕と同じ30代の方です。

ずっと前から興味があったそうなのですが、我が家に整形の仕事を頼めずにいたそうです。

去年一度、持込の素材を作らせていただいたのがキッカケで、機会があると盆栽の整形を依頼されるようになりました。

「空間有美」的に言いますと、大概の素材は、思い切り枝を抜いて、さっぱりと作ります。

それは、ある意味では持ち込み古い枝を若返らせることになるのですが、

若返らせるということは、持込の古さを重視する盆栽にとっては、場合によりますが、一度価値を下げてしまうと解釈されてしまいます。

骨董品は手入れ良く保管していれば、枯れて無くなるということはありませんが、盆栽の場合、ただ芽つみだけ繰り返して、樹を年取らせると、早い話寿命を縮めているともいえるわけで、

人間同様、アンチエイジングをしながら、若々しく年をとっていかせるのが、鑑賞する側としても良いんじゃないかなと感じています。

というわけで、初めて我が家でお仕事させていただくときは必ず、「樹が若返ってしまい、驚くかもしれませんが、覚悟してくださいね。」などと説明します。

その上で、そのご幾度と盆栽の整形を頼んでいただけることは、僕らにとっても凄くうれしいことになります。

人によっては、「待てない人」もいますから、こちらが上手く口で説明しようとしても、結局は2年後、3年後の結果をイメージできるか、或いはその姿がどうなるかをイメージしながらワクワクできるか出来ないと、伝えたくても伝わらないことになります。

棚の木が殆ど非売としているのは、値がつけられないくらい高価なのではなく、この棚場の盆栽が今行った仕事の先を進んでいる、生きた教科書、見本として在るという事なのです。

そうでなければ、今畑から上げたばかりの素材をパラパラと筋だけ作ったものオンリーでは、特に盆栽を初めてまだ日が浅い人には、まさか棚の木のように成長していくなんて、想像しがたいことだと思います。

極端な話、一粒の種から盆栽を作るということは、今でこそ1つの文化になりましたが、

爺ちゃんが始めたころは、指をさして笑われるようなことだったといいます。

しかし、目の前に実際具現化したその盆栽たちがあるからこそ、実生文化の証明になるものだと思います。

今、実生素材に夢を見れるのは、夢が夢とも言えなかった時代を自分の信念のみで手探りで歩き続けた先人がいたおかげだと感じています。

それは、「空間有美」もしかり。

その夢の続きを、同じ世代の愛盆家さんと歩けることに、とても大きな感動を憶えます。

歴史は今僕らの中に生きているからこそ歴史なのです。

文化は僕らの生活に根付いてるからこそ文化なのです。

これからも、若い愛盆家さんと一緒に盆栽を楽しんでいけるよう、丹精を続けていきたいと思います。

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