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20年目も真夏。

今日は、爺さんの阿部倉吉がなくなった命日でした。

家族でお墓参りにいってきましたが、日中はかなりの暑さでした。(東北地方も梅雨明けだそうですね)

そういえば、20年前の今日も、ものすごい暑さでした。

過ぎてみると時間はあっという間ですね。

死んだ人は歳をとらないのに、あの時川原で魚取りしていた小学生が32歳で子持ちになりました。

今思うことは、盆栽の仕事で爺さんと会話してみたかった、ということです。

盆栽人とは盆栽を通してこそわかることがあると感じる今日この頃。

腰塚先生のお話で、尊敬する方がそのお師匠さんと今したいことはと聞かれて、

「たくさん質問したい」と答えたそうです。死んだら質問できないから。

僕は今、親父や親方みたいに、尊敬する盆栽人がいます。

爺さんと盆栽のお話をすることは叶わないけれど、そういった思いを無駄にしないために、

まだまだ生きてる先人に、たくさん質問していきたいと思っています。

「聞こうというなら、黙っていることだ。」(「ゲド戦記影との戦い」ル=グウィン、岩波書店)

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ご家族で!

昨日、「命の授業」をされています腰塚勇人先生が、ご家族で我が家の庭に遊びに来てくださいました。

採用と教育の半田さんからの紹介で、2年前にお会いしてから、今回で3回目です。

実は春に一度半田さんといらっしゃって、うちの家族とみんなでお酒を酌み交わしながら沢山お話しをさせていただきました。

その中で、親父が腰塚先生に「今度はぜひご家族で。」と言っていて、今回はそれが実現することになりました。

正直親父も喜んでいました。

「腰塚先生は、本当に本人がどん底から立ち上がった経験があるから、同じ言葉でもあの人の言葉はひびくんだよなぁ。」と親父は言っています。

確かに親父のような職人肌の人間にとっては、流した汗や、生き様が一番の言葉なのかもしれません。

僕もいらっしゃるたびに、一つ一つ丁寧な言葉で、素敵なお話をいただいています。

腰塚先生とお話しさせていただいていると、なんだか懐かしいような、この人になら何を話しても受け止めてくれそうな、そんな不思議な感じを覚えます。

講演家といっても、話をするのが上手とか以上に、人の話を受け入れる姿勢が半端ないと感じました。

おそらく学校の先生をされているときも、生徒さんの話を親身に聞いてくれる先生だったんだろうと思います。

その姿勢は、学ぶところが多かったです。

話は変わりますが、ご一緒に来てくださって奥様は、とても気さくで気の使わない素敵な方でした。

そして息子さんの快くん。

お漬物や梅の酢漬けを食べて、にんまり。

どれもおいしそうに食べる姿が印象深かったです。

また、挨拶がしっかりできる子で、僕も自分の子供にしっかり教えていかなきゃなと思いました。

本当に素敵なご縁です。腰塚先生ご家族のみなさん、ありがとうございました。

僕らぼんさいやにとって、一番うれしいのはこういった出会いの中で、仕事を切り離して、プライベートで遊びに来てくれることです。

そして、のんびりと我が家の庭や福島の味覚を味わって時間を過ごしてくれる。

この時間を提供することが、盆栽の役割なのかもしれないと、感じるこの頃です。

空間有美ですね。

リズムのないところに美しさは生まれない。

どうか日々の生活に、勇気をもって無駄を取り入れてください。

僕らは常に世間の無駄であり続けることを誓います。

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まーた、刺された。

もはや毎年恒例なんじゃないかと思います。

むしろ、俺ぁ、よっぽどのバカなんじゃないかと思います。

例の桜を植えた山で、今年も蜂にさされてしまいました

山の草刈をする前に、植えた桜を間違って切らないために藪をかき分けて桜の苗木を見つけ出し、周りの草を鎌で刈っていたのですが、

なんせ去年は放射能とかなんとかで気分が乗らず、桜を植えた後は山に行ってなくて、たった一年でカヤとクズで、スーパーな荒地に変身していまして、

背丈より高い藪を草刈鎌一本で突き進んでいました。

(このとき刈り払い機は親父が使っていたので、僕は少し離れた場所で桜の苗木を探していました)

夢中で草をかき分けていて、途中キイチゴトゲがヤッケ越しに刺さっていたので気が付かなかったのですが、

見つけた桜を携帯の写真で撮ったとき、鎌を使っていない左手で撮ろうとしたら、ものすごい手が震えていてなぜかまったく写真が撮れなかったので不思議に思っていました。

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そのあと右手でっとた写真。

この後さらに奥にもう一本あったので、突き進んでいく谷の下で親父が「蜂が飛んでる」と言っていました。

曇りだからおとなしくしてるみたいで、そんなに飛んでこないということで、注意しながら作業していました。(もちろん以前のことがあるので、その前から注意していたつもりでしたが)

そのあと作業を終えて山を下りたのですが、左腕がこわばっているので見てみると赤く刺された部分を中心にやたら腫れていました。

まぁ、その時点で気が付くんだから、よほど集中していたのか、アホなのか。

刺された状況を見れば蜂以外考えられません。

それでも、ヤッケの上から(夏用の極薄ですが)刺されているので軽く済んだみたいで、大事には至りませんでした。

山仕事をすれば、もはや宿命ともいえますね、蜂に刺されることが。

対策といっても、気をつけるしかないんでしょうが、怖いと言って何もしなければ山はさらに荒れていくわけで、まったくしょうがありません。

途中草むらの中に山百合を見つけました。

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画一的に除草していかないと、とても手が回らないのは百も承知ですが、こういった山百合や春蘭を見つけてしまうと、ついつい慈悲の心が芽生えてきます。

蜂に刺された対価が、この美しい花だったなんて、ちょっと寝ぼけてますかね?

「そなたはそなた自身を救うために、緑の大地も、太陽も、星も、みんな売ってしまったんだ。だが、今、そなたに自己と呼ぶべきものがあるか?ない。そなたが売ったのは、そうよ、そなた自身だったんだ。」(「ゲド戦記Ⅲさいはての島へ」ル=グウィン、岩波書店)

蜂に刺されるのも、何かの因果なんでしょうかねぇ。

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五葉松、葉っぱが伸び切りました。

ここ最近、棚場を観察してみると、葉の根元にある茶色いカラがポロポロと落ち始まっている五葉松を見かけます。

これは僕らは「ハカマ」といって、このハカマが落ち始めるとそれ以上葉が伸びなくなったサインです。

これから先は、まだ薄明るい新葉がどんどんと深緑へと近づいていきます。

そして、ぼんさいや「あべ」では、ハカマが落ちたのを施肥のサインとしています。

五葉松の取り木をしたことがある人はわかると思いますが、この時期になると当てたミズゴケの隙間から新しい根っこが見えてきます。

その根をよく見てみると、太い根が一本、ズイッと伸びているのがわかります。

本来植え替えの時に根を見ると、とろろ昆布みたいな細い小根が、太い根の先についているのですが、この真夏の時期には新しい根には小根がまずありません。

そして栄養、水分を吸収するのはこの小根(細根)です。

ということは春から梅雨明けにかけて伸びた根というのは、ほとんどが太い根であったことがわかります。

では、細根はいつできるのか?

それは、これから真夏の時期です。

実際に上部では変化が見られませんが、新しい葉っぱはこれから本気の光合成で、細根を作っていきます。

そして、作った細根で来年の春の芽だしから夏までの栄養を体に蓄えるわけです。

針金をかけると、食い込み始めるのは今から9月下旬くらいです。(地域によって誤差あり)

というわけで、我が家では、この五葉松ちゃんの細根作りに合わせてタイムリーに肥料を送り込む方法をとっています。

一度にたくさんの肥料をあげても、実際には一度に体に取り込める量には限界があるはずだからです。

僕らだって、一日一回で3食分食べきれないのと似ています。

あげるのは固形肥料(油粕)で、しかも少量。

それを9月末まで様子を見ながら少しずつ、追肥していきます。

これは、実際にやってみると古い樹ほど効果があると思います。

もともと大食漢な性ならともかく、古い木でなかなか芽に力が乗ってこないものは、この方法だと来年の芽の大きさに違いが出てくると感じています。

注意点としては、根が悪く渇きが遅いものには、今の時期にあげると根が傷むのであげないこと。

勢いのいいものは、今の時期から多くあげると、枝がごつくなってしまうこと。

この場合、古葉刈り、追い込み剪定を前提としない場合はお勧めしません。

我が家は、胴ぶきを促すために新作りの場合、勢いがあってもあげています。

ハカマが落ちてこないものは、まだあげないこと。

適期は一本一本違うということです。

というわけで、施肥の一例として参考にしていただくと幸いです。

まあ、歳を重ねたものへのいたわりは、人も樹も似たものだということじゃないでしょうか。

五葉松は厳しく育てるといいますが、ただ厳しいだけでは輝くものも輝かない。

培養の成果は言葉じゃなくて、目の前のその盆栽がすべてです。

ウソが通らないから面白い。

厳しいのは僕らじゃなくて、彼らのほうなのかもしれませんね。

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夏飾りの記録。

更新おそくなりましたが、夏飾りの記録を紹介したいと思います。

今年は昨年より一月早いこともあり、花物も充実していました。

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本玄関で大きな寄せ植えが迎えてくれます。

これは丁字かずらです。

小さな素材が数本寄せてあったものを、伸びるに任せて持ち込んできました。

花の時期はジャスミンに似た甘い香りが漂います。

本来なら6月の初めごろから咲き始めて、下旬にはほぼ終わっているのですが、今年は何とか持ってくれました。

024_480x640これはモミジの園芸種で「琴の糸」というものです。

糸のように細い葉のもみじで、夏の涼しさを誘ってくれます。

紅葉も意外に美しく、一年を通して楽しめるもみじです。

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こちらは山モミジの文人風です。

足元に白花のホタルブクロが飛び込んでいます。

ホタルブクロは初めに寄せて作るより、飛び込みで育ったほうが丈夫に育ちます。

030_640x480今年の床の間はこの五葉松です。

実生54年目の懸崖。

大きな差し枝は、爺さんと親父が二人がかりで下げたそうです。

その時についた跡が舎利になって、そのまま枝に残っています。

今のところ、僕が針金をかけて整姿したのが2年前なので、そろそろ針金の食い込みに注意が必要です。

せめて気分だけでも深山の静寂を味わってください。

031_640x480この米つがは、30年ほど前縁あって長野からやってきたものです。

その時は全くの新木で、右の受けの枝も樹幹部もパイナップルの頭くらいポチポチだったものを、芯を伸ばして作っていったそうです。

今落ち枝のように下がっている枝も初めは小さな小枝から作りこまれています。

僕が1歳の時に長野に向かう車に乗せていったそうで、この樹に必ずついて回るエピソードの一つです。

043_640x480これは梅花つつじをメインとした寄せ植えです。

梅花つつじは春から夏、秋遅くまで優しい風情が楽しめる名素材です。

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柏葉アジサイの寄せ植えです。

これは庭木から枝を取り木して持ち込んだものです。

割れた陶器の上に植えていましたが、飾りを意識して鉢に移し替えました。

047_480x640ローズヒップです。

大きくて赤い実が気に入って、その時は冬だったので花も見ないで買ってしまいました。

次の年になって一輪のかわいらしい花が咲き、思いがけないサプライズでした。

年々花芽が増えています。肥料は大目にあげたほうがいいみたいです。

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赤花の岩がらみと、コバノズイナ。

花物は毎年花をつけるのはコツがいるらしく、こうやって花をつけてくれると一年の丹精が報われる思いがして、非常にうれしい気持ちになります。

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スタージャスミンという、丁字カズラの仲間です。葉が大きく花がスッキリしています。

香りもこちらのほうが甘味よりスキッとした感じがします。

大味ですが、枝の暴れ具合が面白いです。

上に咲いているのは黒ニガナですね。飛び込みをそのままにしてます。遊び心ってやつです。

055_480x640これは定番のヤブレガサですね。

毎年夏飾りを続けていこうとすると、どうしても素材がかぶってしまいます。

同じ種類が飾られていたというより、その一鉢一鉢の違いも楽しみにしてほしいと願っています。

昨年も飾ったこの鉢ですが、今年もしっかりと傘が群れを成しています。

持ち込みの楽しさ、面白さ、美しさを伝えていくことも展示会の大切な役割の一つです。

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玄関の土間にはワークショップの道具が見えます。

今年も手作りの看板は大活躍です。

それと並んで、大きな寄せ植えが来場者をお出迎えしてくれました。

今年は展示会の記録をお願いしたこともあり、すっかり自分たちで全体風景をとっていませんでした。

展示会の内容を紹介してくださったブログをぜひご覧ください

★1

★2 

今年で2回目。

去年同様、まずは一年の丹精の成果を自分たちが一番実感することを意識しました。

そのうえで来てくださった皆様と感動を共有できるよう努めました。

うれしいことに両日足を運んでくださった方や、一度帰ってから新たに友人を連れてくださった方、ブログにアップしてくださった方などがいらっしゃいました。

今回は福島民報さんにもイベントの様子が掲載されました。

来場者も昨年と変わらない人数が来てくださり、来年への後押しになりました。

それでは、来場してくださったみなさん、イベントを応援してくださった皆さん、本当にありがとうございました。

夏飾り、大成功でした。

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「ありがとうございました」

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