« 大事な仕事なんです。 | トップページ | 明日から19日まで、吾妻の駅「ここら」で盆栽展示しています。 »

五葉松の種、採取ぅ!

毎年同じことやってるから、同じことやってますって日記になっちゃうわけですが、それでもこの当たり前がまたやってきた有難さに、感謝できるのが盆栽のいいところなわけで、

今年も五葉松の種を採取しました。

120809_155501
採取は、まだ松ぼっくりが青いうちに始めます。

去年までの種に関する情報→2

ちなみに、この青さでも、一日一日でまったく様子が変わってきます。

安心して1週間でも開けてしまうものなら、すっかり傘が開いて中の種がこぼれてしまっています。

こぼれた種は鳥のごちそうですから、拾うったって、拾えません。

なので、ここ数日は毎日のように畑に足を運んで種の様子を観察していました。

しかも、五葉松の種といえども、性質の違いで、成熟の早いものと遅いものがあります。

特に早い「宝来(ほうらい)」は、吾妻山系でも最高級の葉性と枝性を兼ね備えていますので、取りこぼすわけにもいきません。

ちなみにこの「宝来」、もともと吾妻山の蓬莱山に自生していた自然樹でしたが、十数年ほど前に、心無い人が枝接ぎの穂、欲しさに枝を丸坊主にしてしまい、枯死するという事態にあいました。

今、里にある宝来はそれ以前に、わずかに採取していた枝から、接ぎ木で少しずつ増やしてきた大事な品種です。

現在では福島以外の産地でも「宝来」の名前を知る人たちが増えてきました。

こんなところにも、盆栽生産の光と闇があるんだなと、感じてしまいます。

そして、今年もまた国立公園内での採取の話はありません。

組織が機能していないのだから、全く話にならない状態です。

僕ら生産をしている業者さんで個人的に採取の話をもって予定でしたが、組織的にはNOだそうです。

このまま採取の文化に幕を下ろしてしまうのか、とても悲しい現実です。

採取許可までの苦労話を聞かされてきたので、本当に残念な気持ちです。

以前の採取の様子→ 

僕は、教科書に載っているだけの歴史なんて大嫌いです。

今を生きている僕らが、それをやって、見て、何を感じたかが、そのまま歴史だし、文化だと思っています。

目の前にある盆栽を見ても、なんで感動したのか、家に帰って盆栽の本を読まないとわかんないなんて!

盆栽の前で、盆栽って何ですか?だなんて。

だから僕は、初級本に載ってるだけの、初心者のためにオススメする実生だなんてことで、実生を知ったかぶりたくないし、やるならとことん種の採取から実生100年までを体感してこそ得られる感動を、そのまま言葉にしたくて、そして何より形にしたくて、実生を続けているんです。

定義や方程式は確かに大切だけど、感動に定義や方程式をくっつけたら、その人そのものの存在価値が否定されてしまうじゃないですか!

その種が単なる種じゃないって、この体を使って採取して、初めてみなさんに言えるんだと思っています。

昔山で採ってた、じゃぁ嫌なんですよ。

こりゃ、どげんかせんといかん、そう感じています。

|

« 大事な仕事なんです。 | トップページ | 明日から19日まで、吾妻の駅「ここら」で盆栽展示しています。 »

「盆栽」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/209438/46639330

この記事へのトラックバック一覧です: 五葉松の種、採取ぅ!:

« 大事な仕事なんです。 | トップページ | 明日から19日まで、吾妻の駅「ここら」で盆栽展示しています。 »