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実生80年の幹肌

今日は我が家の盆栽会、盆久楽会の講習会でした。

会員さんの一人が、うちの爺さんが20の時に実生した盆栽を持ってきました。

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実生84年。持ち込み古く、鉢に入って50年は経っているそうです。

吾妻五葉松に多くみられる傾向ですが、樹が古くなると幹肌が紫色を帯びてきます。

展示会などで、そういった古木を見つけたら吾妻五葉松の可能性が考えられます。

ちなみに日暮しは、岩石性に近いです。

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こっちは樹齢800年超の幹肌です。肌はクロマツのように荒れています。

持ち込みの古さを見るとき、一つの目安になるのが肌がどこまで荒れているかです。

たとえ山で100年経ていても、鉢に入って盆栽に仕立てようと思えば、あくまで持ち込みは一年生です。

そういった木は大概、幹肌に似合わず枝元がプリプリに若いもんです。

実生80年経っていようとも、幹ではなく枝にまで肌荒れが及ぶには、鉢で持ち込んでいかないといけません。

国風展などで国風賞をとるような古木になりますと、枝先近くまで肌がバリバリと荒れているものです。

持ち込み初めが明治、大正ともなれば、鉢の中で100年は経ているわけですから、枝の更新をまめに図ったとしても、それなりに枝先まで肌荒れが及ぶわけです。

人によってそれを「古色(こしょく)」なんて呼びますね。

小枝がいっぱいついていて幹が隠れるくらい賑やかになっているからといって、必ずしも気が古いとは限りません。

大体、山を歩けば古木は、日の当たる場所の枝を残しながら自分で空間を作り、姿を出していきわけです。

枝葉がモリモリとして幹を隠すくらいの状態は、若木に多くみられます。

幹肌の古さに合わせようと思えば、枝葉を巧みにさばいて、空間有美を意識するのは、自然らしさの理にかなっていると、そう思えてきます。

ちなみに実生84年の幹肌のスタンダードがわかれば、巷でつけてる樹齢と比べてみたときに、色々と感じるものがあると思います。

そんで若い木が実生で、古色を帯びてきた途端にヤマドリだなんて、安易な仕分けをしている人に振り回されないよう、実生愛盆家さんは、気を付けてほしいなと願います。

盆栽というのは、どこまで行っても人と樹の関わりでしかないから、世間にどこぞの古い木が溢れたとしても、我が子のように可愛がっているご自身の樹を大切に持ち込んでいってほしいです。

だってね、樹は必ず最後は枯れるんです。生き物だから。

今ある名木、古木もね伝承の過程でいつか必ず枯れてなくなるんです。運命ですから。

350年後に盆栽があるかわからないけど、350年前の今に誰かがやらなきゃ、それさえもないんです。

実生愛盆家さんたちは、盆栽史上に名を残さずとも、その木は残ります。

言ってみれば、未来を作っているのはそんな名もなき愛盆家さんたちです。

誰が認めないって?

少なくとも僕は、最高の尊敬を捧げます。

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世界一の砲丸づくり、辻谷さんに感動!

2月11日、建国記念日、福島市のポリテクセンターで世界一の砲丸職人、辻谷政久氏の講演会に行ってきました。

採用と教育さんの主催で、我が家の盆栽も飾らせていただきました。

アディカさんのブログより→

僕が辻谷さんとお話しさせていただき感じたことは、81歳にもかかわらず、しっかりとご自分の境界線をもっていて、自立された方だということです。

ご自身の生き方に自信をもっている、主体性というものを強く感じました。

講演の中で、「私の最大の失敗は、あとの世代に上にいけるだけの、バトンタッチの余裕を残してあげなかったことです。」と仰っていました。

「我々のような家族経営の小さな会社は、何が何でも頂点に上り詰めてはいけないんです。」と。

世界一の砲丸を作り上げる職人さんだからこそ、言える言葉だと思いましたし、決してご自分の仕事にのみ満足するような人ではなく、次の世代、時代のことまで広い視野で考えていらっしゃるんだなと思いました。

そして、辻谷さんの息子さんと会って話してみたいなーと思いました。

講演のあと、辻谷さんに「きっと息子さんも息子さんがつくる世界一のものを作ってくれると信じています。」といったら、

「私もそう思います。」と仰っていました。

僕は、自分自身に言ってもらえたような気持ちになって、とてもうれしい気持ちになりました。

ところで、次の日、採用と教育の半田さんが我が家に辻谷さんをお連れしてくださいました。

採用と教育さんのブログ→

辻谷さんは、今でも夜遅くまで専門誌(科学誌など)を読んで勉強されているそうです。

半田さんが「経営の勉強はされないんですか?」と尋ねたら、

「いえ、読みません」それで「それを読んでいても経営のアイディアは湧いてきますか?」と僕が尋ねたら「そうですね。一つのことを突き詰めれば、湧いてきます。」と仰りました。

くぅー!これだよ、職人の感性が最大限詰まった生き方。

もう、泣きそうなくらい格好よかったです。

最後に講演で次の世代にこれだけは伝えたい思いを尋ねられて、辻谷さんは、

「人の技術をまねること」

と仰っていました。

僕の神様がまた一人増えました。

辻谷さん、半田さん、ありがとうございました。

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五葉松の種、今年は販売しません。

毎年2月も末になると、五葉松の種の販売の話が出てきます。

前年のブログでは、種を採ったどー、なんて言っていましたが、猛暑の影響だと思いますが、思った以上に実入りが悪く、また採取量の最低記録を更新するほどの少なさでした。

種の販売が目的ではなくて、あくまで実生の面白さを体感してもらいたくて、僅かずつですが、お分けしているのですが、

我が家では、まだまだ苗木や、ある程度年数を重ねた素材の需要が多きいので、種の販売は、種が大量に確保できたときのみとしているのです。

少なくとも生産者ではなくて、「実生から盆栽を作り上げるぼんさいや」(6次産業的な)としてやっていますので、申し訳ありませんが、本年度の種の販売はすべてお断りしている状況です。

今年は思いのほか、種の購入希望のメールを沢山いただきました。

このブログ上でも、おわびさせてください。申し訳ございませんでした。

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