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そこに在る奇跡

今日、友人の会社の若い子が、盆栽を見学させてくださいって、来たんですが、

色々盆栽を見ながら話すうちに、ふと自分でも思い立ったように話はじまった事がありまして、

それは、たまたま屋久島の杉の写真を見ながら(ちなみに下の写真)

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この地に生まれて幾星霜。今はその枯れた幹と枝だけになってしまったこの木について、

「不思議だよね、この木はたまたま偶然屋久島のこの場所に種が飛んで芽生えて、そして育って、雨風にさらされて、動物や鳥にかじられて、そして枯れていった、それだけなんだよね。」

「そしてたまたまこの山に登った僕が、それをたまたま見つけて、感動して、写真に撮って、今君がその写真を見て、感動している。」

「この木は僕たちに何かしようとしたかな?するわけないよね。ただ偶然そこに生えて、枯れていただけだもんね。」

待っていたなんて比喩で、実際に待っているわけもない。

「でも、少なくとも僕はその木に感動して、そして、僕の自然感、人生に影響を与え続けている。」

「三春の滝桜だって、誰が植えたか、勝手に生えたかしらないけど、その桜が僕らに何かしてくれたことなんて何もないはずだよね?」

「けれど、あの桜に感動して何万人もの人が毎年あそこを訪れる。」

「そして多くの人が感動して、生き方まで変わってしまう人だっている。」

「本当に考え方が変わる、生き方が変わるって、そういったことなんじゃないかな。」

「その木は何もしてくれないけど、僕たちにとっては何かであるんだと思うよ。」

そんなことを話していて、ふと自分自身気付きをもらった感じがしました。

実際フランスのルイスは我が家の棚場の盆栽、吾妻山の自然樹を見て、強烈なインスピレーションを受けて、それから山の自然を見る観点が全く変わってしまったと言っています。

僕たちは自然を扱いながら、思うように表現しています。

しかしながら、そこには大きな落とし穴があって、自然を支配しようとしていることに気が付かない。

それは、どんな職人さんだって無理だ。

僕たちは名人になれるかもしれない。けど、神様にはなれない。

屋久島の杉をみて、三春の滝桜をみて、吾妻の五葉松を見て、それに憧れ続けるのが表現だと思う。

夢には続きがある、完成した夢なんて、もう夢じゃない。

その木が、その素材が、そしてその出会いが、全くの奇跡から来ていることに感謝する気持ち、そして僅かながらにその運を引き寄せる、たゆまぬ努力。

ぼくらの表現は誰の心も救おうとしない。救えない。

けど、僕らの表現は、誰かにとって救いかもしれない。

そして、それを願って生きるのが職人の夢なんだと、信じたい。

理想は理想でいい。実現しなくたって、遠くたっていい。

ただ、それを追いかけ続けてみたい。

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夏のチョイ切り抜き。

うちの息子が奥さんの実家で4歩ほど歩いたとか。

上の子の時も、歩いて名古屋から帰ってきたっけ。

巡り合わせですから、仕方ないけど、何よりうれしいですね。

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これはうちのフウムサ。スモモの古い品種です。

今年は春先に石灰硫黄合剤しっかり散布したから、害虫が殆どでなくて、実も綺麗。

お陰様でおいしくいただきました。

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ノウゼンカズラ。さながらモンスターです。

ほんとう、ここまで夏の暑苦しさを体現している花もないですね。あっぱれだ。

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これは盆久楽会この夏のイベント、会員さんのお棚拝見での一コマ。

会員さんのお庭をみんなで拝見させてもらい、いい刺激をうけようって、やっています。

この木も4年前はまだ畑で新木の状態でした。

元継で40年近く経っています。

来年には、鉢

を変えると展示会に使えそうな感じですね。

葉性の良いもを吟味するって、本当に大切なことだと思わされる逸品です。

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今回は2件、周りました。こちらの会員さんのお棚は、早めに遮光の対策をとられていました。

遮光の有無は、樹種で選択される方が多いですが、やはり本人のライフスタイルも大きく考慮に入ってきます。

朝早くから仕事で、日中水やりをする人が居ない、帰りも遅い、そうなればこうやって鉢の渇きを遅くするのも一つの方法ですね。

実際、五葉松でも8月から9月にかけて、遮光する方たちが増えてきました。

ちなみに我が家でも五葉松に関しても、棚によっては遮光しています。

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そしてこれは、ある場所のある風景。

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これは・・・。

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この写真が何処で撮られたものなのか・・・。

気になる人は、ぜひぼんさいや「あべ」に遊びにいらしてください。

この夏、一番の大事件だったといえるでしょうから。

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夏飾りのレポートです。

大変遅くなりましたが、夏飾りのレポートです。

今年の夏飾りは、なんと昨年の倍近いお客さんに足を運んでいただきました。

徐々にですが、このイベントが浸透しているのではないかと、正直うれしい気持ちです。

では、早速写真を掲載していきます。

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今年も、床の間には五葉松を飾りました。

実生56年です。

旧佐久間邸の床の間は、五葉松を飾るために作られたんじゃないかと思うくらい、松の緑が輝きます。

270年後に出会えた奇跡ですね。

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夏飾りには沢山の定番が登場します。これはノリウツギ。

ちなみに5年ほど前の写真は・・・、

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持ち込みでかなり花が増えましたね。

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今年は真ん中の部屋に五葉松を飾ることが出来ました。

根上り、実生47年生。

この根上のまま立上がってる姿は吾妻の自然樹そのものですね。

棚場では意外と目立たないのですが、こっそりとお気に入りの一本でもあります。

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添えに使った寄せ植えです。

我が家の寄せ植えで一つポイントとしているのが、あまり派手すぎず、華やかさもあり、といったバランスです。

山野草の専門家や、わびさびマスターの方に的を絞ってるわけではないので、見に来てくれた、出来るだけ多くの方の、心に響くように作りたいと願っています。

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風知草の根洗いです。

シックな雰囲気の土間には、華やかな縞フウチが良く映えます。

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三日月形の流木寄せです。主木はホサキナナカマド「セム」です。

こういったある意味では異形も、真面目な寄せ植えの中に入ると、かえって自然らしく見えてしまうから不思議です。

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こちらも枯れた舎利にくっつけたものです。

主木はバイカツツジ。そこにアブラツツジ、ドウダンツツジと、山のスタンダードが名を連ねています。

2年前の夏飾り、寄せたばかりで飾っています。

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時間の作意には、我々人間がどうしたってか敵わないものがあります。

僕らに出来ることは、水をかけて願い、はさみを入れて祈ることだけなのかもしれませんね。

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イワタバコ。

普段我が家の一番日陰で過ごしているから、誰にも気が付かれません。

毎年花を咲かせても、飾るまでしなかったのですが、今回思い切って飾ってみました、

深山に分け入ってこの花を見ることが出来る人は少なくても、こうして室内に飾って多くの人たちの目を楽しませてくれるんだから、いやぁ、盆栽って素敵だなぁって、思わせてくれる一鉢でした。

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今回はモミジたちも大活躍でした。

これはハウチワカエデ。

実は直前まで瓦に植えてあったものを、景色が出ないからと言って、石に付け直したんです。

意外とぼんさいや「あべ」、妥協してません。

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この山モミジも、ギリギリで枝を抜いて、飾っています。

ほんの一枝を切るか切らないかで親子ゲンカしたりするんだから、ほんとしょうも無いけど、僕たちにとっては大問題だったりするんですよね。とほほ。

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こちらは寄せ植えです。

個人的には寄せ植え、株立ちが大好きです。

一本では発揮できない個性が寄り添うことによって輝くわけですからね。

そういったスポーツやったことがある人なんて、このシチュエーションたまらないんじゃないかしらね。

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右は紅しだれです。

実は園芸店で庭木用に売られていたモノを、枝を透かして鉢に収めました。

こういった幹筋の面白いものは、積極的に盆栽にしていけるから、近所の園芸店にたまに足を運ぶのも悪くないなって思います。

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こちらは新作です。

夏飾りの代名詞、柏葉アジサイですが、今年も新作を飾りたいってことで、親子3人であーでもない、こーでもない言いながら作ったものです。

誰かが素材を見つけてきて、誰かがアイデアを出して、誰かが作る。

面白い作品が生まれるときは、大概そんな感じです。

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八房米栂の「玉盛(ぎょくせい)」です。

福島産の米栂で、盛康さんが見つけたから、ぎょくせい。

知ってる方は少ないですが、持ち込むほどに枝が細かく、かつごつくならないのが、この木の特徴です。

これは挿し木から30年くらい経っているものです。

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真柏。

ぼんさいや「あべ」で、五葉松以外を飾ると、「え!あべさんちに真柏?珍しいねぇ。」と言われます。

一応ね、ぼんさいや、なんで松柏類は一通り扱えますよ。

この舎利幹が、夏にはぴったりの清涼感ですよね。

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まだまだ紹介しきれませんが、一応ここで区切りです。

この寄せ植えは、約20種類の草木が入っています。

そこに山、そこに自然。

確かに僕らの仕事は、「かりそめ」なのかもしれません。

けど、そこで響いた感動は、本物と差異がないものでありたいと、ぼんさいや「あべ」では願っています。

この寄せ植えにはそんな願いが詰まっています。

どうか福島の自然が、にもかかわらず美しく、あって欲しいです。

今回足を運んでくださったみなさま、協力してくださった沢山の方々に感謝いたします。

本当にありがとうございました。

一応5年は続ける、が目標なので来年も開催予定です。楽しみに待っていてくださいね。

最後に、風花さんが、夏飾りの様子をブログにアップしてくださっています。どうぞご覧ください→ 

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Bonsai focusに掲載していただきました。

先月号のBonsaifocusで、親父と僕のモンブラン滞在の様子が記事になりました。

投稿したのはフランスの友人ルイスさん。

実は今回で4度目になります。

どれも、素敵な文章で紹介されています。

日本語訳、我が家にありますので、お越しの際はぜひ。

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