« 盆久楽展2013レポート 会場編① | トップページ | 盆久楽展2013 ぼんさいや「あべ」編 »

盆久楽展2013レポート 会場編②

盆久楽展のレポート続きは、会員さん個展です。

恒例の会員さん個展、今年は阿部憲治さんです。

毎年展示会期間中、会員さんによる盆栽の即売コーナーに足を運んでくださる方は、ご存じかと思いますが、今回は即売所の顔である会員さんの個展でした。

この方は、自分の畑で仕立てた実生樹がメインで、本人も新作りから作り込んでいる筋金入りです。

0371

正面の床の間には、宮島五葉の双幹。

小さな苗木だったものを畑に下ろして仕立て直したそうです。

0391

こちらも本人の畑で仕立てたもの。

実生で30年から40年のものが殆どだとおっしゃっていました。

0401

洒落た米栂の石付。枝を薄く作ることで、米栂の自然らしさを殺さないように努めています。

0427
これも実生樹。一番下の枝を伏せこんで作り、根連なりのようにしています。

0431

これも実生から畑で仕立てたもの。展示会場近くの愛盆家さんが、この仕立て方を得意としていました。

祖父からアドバイスを受けて、盛土を少しずつ掻いて、底上げしていったものです。

0441

会員さん個展は、その方の好みも浮き出てきますので、面白いと思います。

もちろん選定の段階で、展示のバランスも考慮しますので、会員さんのベストの順で飾られるとは限らないのですが、それでも好みは浮き出てくるものです。

0461

取り木で仕立てた文人です。

持ち込みを重ねるとさらに「らしさ」が際立ってくるともいます。

0471

風の強い自生地を彷彿させます。

このように大らかな樹姿が少なくなってきています。

三角形に収めてしまえば、確かに姿は安定します。

人間が本能的に落ち着いて見えるのはシンメトリーだそうです。

動物的にモテるのもシンメトリーだと竹内久美子さんが言っています。

確かに納得しますね。

吾妻の山を歩いていると、そのワイルドさにドキドキしたり、ハラハラしたり、ビックリしたりと感情が揺さぶられまくります。

こんなものを心の安全を求める人たちが受け入れがたいのも仕方ないのかもしれません。

けれども「自然らしさ」を手離せないのも人の心です。

この「矛盾」こそが本質だと僕は思うし、その中に「空間有美」の表現は存在するともいえるのです。

そんな難しげな話をしなくても、目の前の盆栽を見て、何を感じるか、何を求めるか、それを自分自身と対話できる人なら、説明はいらないと思います。

0481

赤松の石付。

始めつけたころは、まだまだ樹も若かったし、石と馴染まなかったのですが、数年してから久しぶりに見たときは、その落ち着きぶりに感心したものです。

持ち込みの大切さを再認識した木でもあります。

0491

個展コーナーの隅には、奥さん(この方も会員さんです)の寄せ植えを飾りました。

奥さんが個展をやったときは10年近く前なのですが、あの時展示した作品とは違う樹をだいぶ出しています。

0501

中品の模様木。

葉性が抜群です。これからの持ち込みでさらにグングン樹格が増していくと思います。

0511

双幹のようですが、張り出した幹の途中の枝にも樹幹部を設けている、ちょっと変わった樹です。

0521

取り木です。この会員さんは、取り木で自然態の立木を数多く仕立てています。

幹は素直でも、枝の使い方で、多彩なバリエーションの景色が作れるのも、こういった立木の特徴かと思います。

0531

立ち上がりに子供が付いている双幹。

これも自然態の味のある樹形になっています。

0571

個展会場の全体写真です。

こうやって一体性を持って飾られた展示会場は壮観です。

個展といっても、盆久楽会員の個展ですから、しっかりとした「テーマ」をもって飾られています。

だからこそファンが離れないし、愛される展示会として継続しているんだなと思います。

もちろん、会員さんの高齢化は我が会にも一つの課題としてありますし、あと何年今と同じスタイルで続けていけるかというのも気にならないと言えばウソになります。

ただ、これだけは言えるのは、「一年一年、一回一回を楽しく真剣にやる」という事です。

結果は結果です。

最後に残るのは、愛盆家さん一人一人が、自分自身の人生において、どう盆栽と向き合ってきたかです。

高齢化も意地の悪い盆栽仲間も、あなたの盆栽人生の一要素になるにせよ、全てにはなりません。

ということで、大先輩には最後までご自分の盆栽道を楽しく過ごしてほしいし、若い愛盆家さんたちには、仲間を増やすことだけでなく、目の前の愛しい盆栽たちを今よりも良くしてあげることに夢中になってもらいたいなと思います。

出会いは、自然の配慮ですから、焦らずじっくり向き合ってもらいたいです。

今回の会員さんも、飾る直前までドキドキ、ワクワクしながら過ごしていたそうです。

会を終えて、最高の達成感と、また来年の展示会、即売に向けての新たな気持ちで清々しい気持ちになったそうです。

というわけで、今を全力で楽しんでいること間違いなしの、盆久楽展、会員さん個展コーナーの紹介でした。

次回は、ぼんさいや「あべ」に飾り付けた盆栽編です。

|

« 盆久楽展2013レポート 会場編① | トップページ | 盆久楽展2013 ぼんさいや「あべ」編 »

「盆栽」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/209438/53743039

この記事へのトラックバック一覧です: 盆久楽展2013レポート 会場編②:

« 盆久楽展2013レポート 会場編① | トップページ | 盆久楽展2013 ぼんさいや「あべ」編 »